温ちゃん通信 第19号
温ちゃん通信 第19号
2021.10.20発行
9月定例会
9月29日の定例会最終日には、議会は、災害関連の一般会計補正予算約31億円を可決しました。
主に農地・農業用施設及び林業施設や土木施設の災害復旧費です。今後に向けて、災害からの早期復旧を願います。
一般質問
8月の災害では、ピーク時には、全市で800人を超える避難者があり、その内アージョには280世帯429人が避難されました。命を守るために、早めの避難を行うための避難所について、一般質問しました。
愛郷小学校は車両避難者が多く、人数の把握もできない状況であった。
市が保有する道の駅「三矢の里あきたかた」は防災拠点であり、避難所として使えたのでは?
避難所とは建物であり、屋根があり、職員を配置し受け付けて、必要あれば食糧とか毛布を渡す、それが避難所の定義だ。
市は、道の駅も避難所に指定しているが、建物と認識されないのか
建物として使わない。
商業施設であり、避難所として使うとその先の運営が困難。
たった40人収容では不十分で、非常に使い勝手の悪い施設と評価。
「道の駅」を避難所として使わないと断言する市長。
商業施設の運営が困難になるという。
避難所の開設は、一時的なものであり、今回も約半分の避難所は3日間で閉鎖しています。
また、愛郷小学校は車両避難者が多かったことから、道の駅は、駐車場、十分な設備のトイレ棟、災害停電時稼働の自販機等もあり、40人収容でき、さらに車両避難所として使える施設と考えます。
非常に使い勝手の悪い施設と評価する根拠は?!
市と協定を結んだJAでは、市からの要請がなかったため、避難所開設に至らず、避難して来た方々がアージョへ避難し直したという事態が起きた。
市長は、避難所開設の大前提は市の所有しているところと言われるが、協定を結んだところも含めて考え、高齢者等避難(レベル3)で要請を出すというお考えはないのか?
状況に応じて全ては判断をするんです。
状況を置いといて何かやるなんて決められるわけがないんです。
そんな無責任な。
指定避難所は、レベル3(高齢者等避難)で開設しています。
協定先への避難所開設要請もレベル3で出すことの検討を求めているのに、決められるわけがないとは?
有事の判断基準をこの災害を教訓に練り上げるのが必要では?
避難し直す事態を招いた状況への今後の対応を示さないのは、市民と協定先に対して無責任ではないのか?
いつ要請するかをレベル3に合わせれば、職員の対応も早く、さらに市民は近い避難所へ、歩いて早めの避難も可能となるのではと考えます。
もちろん協定書の内容等にも関わるでしょうが、検討の価値ありと考えます。
監視機能の妨害か!? 愕然?唖然!とした市長の答弁
9月定例会では、令和2年度の予算が適正に使われたか、行政効果が出ているかなどを審査する決算認定がありました。
議員としての責任を果たしたつもりが、啞然とすることが起きました。
その顛末を以下に記します。
①9月8日 監査委員に問う
定例会初日には、令和2年度決算に関する監査意見の報告があり、私は、監査委員に以下の質疑をしました。
「今回、監査意見の報告になかったのですが、H 28〜R2年度まで5年間赤字が続いている実質単年度収支について監査委員はどのようにお考えか意見をお聞きする」と聞きました。
【計算式:実質単年度収支=単年度収支+積立金+繰上償還金ー積立金取崩額 赤字は取り崩しが多いことを意味します。】
【実質単年度収支の赤字が続くということは、貯金(財政調整基金など)をどんどん取り崩していることを意味します。】
監査委員の答え
監査委員からは、
「個人的な意見となりますが、今ずっとこの状態が続いていると、カエルに例えると、温度が低いと元気がいいが、だんだん温度が高くなっても、カエル自体がそれに気がつかなくって、それで致命傷になって死んでしまう事態もあると聞く。私たちはその中にいるのかなという気はしているんです。
少しずつ赤字が増えていって、いつか必ず頓挫するところがあって、そういったことがないように、いろんなコストダウンや赤字を減らし、黒字も増やしと一定のことをしなければならないと考えている。」
との説明。
②9月13日
他の議員の一般質問への答弁中に山根を糾弾する市長
①の監査委員への質問に対して、芦田議員の一般質問への答弁の中で、突如、市長は、話しはじめました。
「山根議員のこの質問を聞いたとき愕然としまして、皆さんそうでもないですか?このはかり知れぬ違和感、みなさん共有されたと思います。
議会が財政を司っているんです。
承認しているんです。
いうなれば、スピード違反で捕まったのに、お巡りさんに「スピード出てたでしょ。危ないと思いません?」って聞いてるみたいなもんですよ。
どこまで無自覚なんだと、無責任なんだと、愕然としました。
・・・ぜひともこの責任の大きさ、重み、それを感じていただければと思います。」
③9月14日
山根の一般質問において、市長の答弁にある監査委員への質問の認識の違いを説明
今定例会の一般質問では、私が最後の質問者で、質問の最後に市長との認識の違いを以下の通り説明しました。
「安芸高田市は、H 16年の合併から、H 19年まで4年続いて実質単年度収支が赤字でした。
私が議員になったH20年には持ち直しましたが、今回は災害やコロナの状況もある中で、監査委員の意見を聞きました。
H 21年に研修会の講師より、赤字は3年だしたら要注意、財政運営の転換が必要であること、これが議会の責任と言われました。
ちょうど、石丸市長が着任され、財政運営の転換がなされるところだと感じています。
なぜにあそこまで、個人的に攻撃されたのかわかりませんが、一つ、財政調整基金の問題があります。
実質単年度収支はその計算式から財政調整基金を取り崩すことによって赤字になります。
もちろん、何に使うかによります。繰り上げ償還に当てるならば、プラスになります。
どんなやりくりをしたかなどがわかるのがこの実質単年度収支です。
監査委員の言われたごとく、まずは気づくことが大切と議員の責任を果たしたつもりです。」
財政を司るのは、まずは予算を調製し、執行することのできる行政のトップである市長であるはず。
議会には、議決機関としての責任があります。だからこその、現在の状況認識の共有が必要。
今回は、監査委員の言葉を引き出し、改めて現状に気づくことが大切と明らかにしたものです。
市長自らが、財政説明会を開催し、市民に『財政の見える化』を進める市長であると思っていましたが、まるで「予算を通したなら文句を言うな! 市民に、今の状況を気づかせるな!」と脅されたように感じます。
私個人への個人攻撃なのか? 議会の監視機能への妨害なのか? どちらにしろ、市長の愕然(非常にびっくりするさま)を通り越して、私の場合は、啞然(予想していなかったことに驚き、あきれて言葉が出ないさま)という言葉がぴったりのようです。